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【KAKERUインタビュー No.7】
作詞作曲もこなし、ピアノを弾きながら歌い手でもあるアーティスト。秦さんのコンサートは、漫談のように愉快でありながら、気がつくと歌を聴きながら号泣している……という観客で、いつも大盛況。歌のテーマは、家族への思い、主婦が感じる悲哀、冷蔵庫の中や流行り言葉を茶化した歌など、日常生活全般に関わるテーマで幅広い。くすりとさせられつつ、頬伝う涙と洟をすする音が会場に溢れる秦マジック。今年50才という大台に乗り、意欲的にライブコンサートにも取り組んでいる。私生活では中学2年の双子の女の子のお母さん。パワフルでエネルギーいっぱいの秘訣は一体?!素顔の秦さんに迫ってみました。
秦万里子(HATA MARIKO)
1956年生まれ。東京都出身。牡羊座B型。作詞、作曲、編曲、ピアニスト、音楽教育家幼少の頃よりピアノ、作曲をはじめる。この頃から、即興演奏を得意とし、発表会も自作曲で出演。学習院初等科、女子中、高等科を経て、国立音楽大学器楽科ピアノ専攻へ在学中より、東京おとぼけキャッツのキーボーディスト、作曲家鈴木邦彦氏の助手、音楽講師、各種伴奏者として活躍。1978年同校を卒業。演奏活動、音楽教育を続ける。1985年渡米、バークリー音楽院にてC.ナジャー氏に師事。作曲、編曲、指揮、ミュージカル、ジャズ等を学び帰国。双子の子育てに専念するため、しばらく音楽活動を自粛。現在、作詞、作曲、編曲、ソロの演奏活動の他、2年前にバンド結成。金武功(Per.)濱中祐司(Gt., Bs.)と共に楽しい即興ステージを繰り広げる。ライブスポットのみならず地域社会に密着した音楽会やコンサートも開催現時点での活動方針は、日々の生活から、見過ごされがちなテーマを発掘し、エンターテインメント化すること。音楽教育活動としては、モンテッソーリ白金子供の家、片瀬のぞみ幼稚園にて音楽主幹を務める傍ら、マリーズピアノハウスを主宰。その他都内の幼稚園、小学校にて公+講演会を行ないつつ、CMソング、CDアルバムなど多数生み出している。
http://www.ne.jp/asahi/lampappa/net/index.html
 
私が秦さんの歌に出会ったのは、ある方のご紹介で皆でお酒を飲んだ時。しこたまワインを飲んで気持ちよくなっているところに、秦さんの「あなたへ」(お母さんへ贈る歌)を聴いて、涙がとまりませんでした。歌で泣くなんてことがしばらく無かった私は、シラフになって「酔ったせいだったのかな?」などと思い、今度は午前中のライブコンサートにいそいそ出かけてまいりました。ところがシラフで聴いて、さらに号泣してしまいました。私だけでなく、周りのお客さんから洟をすする音がたくさんしていました。そんな感動を音楽でできるなんて、とてもうれしいこと。秦さんの歌はどうやって、どんな時に作られるんでしょうか?
 
「作ろう!と思った時です。どうやって?なにも考えません。なあんにも。おしゃべりをするとき、あ〜いって、こ〜云って、あ〜答えて、、、って思いませんよね。あれと同じです。人とあって、『あら、こんにちわ』って云おう、、なんて思わないでしょう?あれと同じ。こんな曲がほしいとおもったら作る。歌詞ができて、ボサノバで作りたい、と思ったら作る。それだけです。5分後には大体できています。インストはイメージしたら、できあがり、ホイサッサ」
 

と秦さんらしく気負いもなく屈託がない。涙する歌もあるけれど、もう半分は誰も歌にしていないようなおもしろい視点の詞で、お腹を抱えて笑ってしまう。先日、NHKの朝のニュース番組「おはよう日本」でも取り上げられました。テレビ放送後の反響は?

 

「あの時間はどうも「おはよう日本」のゴールデンタイムだったらしく、とても反響が大きくて驚いています。個人的にもですが、学校など、各種団体の方々から来てもらえないだろうか、、、という打診を頂いています。ありがたや、、、そして、、、もう穴のあいた靴下は履いてはいけない様な緊張感があるかな?お蕎麦やさんで、スーパーで、「このひと、、、どこかで見たことアル。。。」そんなお顔を拝見すると、、、ごはん粒、どこかに乾燥してついてやしないかとヒヤヒヤします。作曲家、ごはん粒つけてウロウロするってのは、なんだか曲も期待出来ない感じがしません?」

 

いえいえ。生活感があるアーティストだって十分素敵です。秦さんのコンサート、音楽だけでなく漫談のような要素もあってとても楽しめますが、いつからこうしたコンサートはやっていますか?

 
「あの9・11の後からです。これは偶然。ある方のお宅でコンサートをやることになっていたところに、あの事件、コンサートでは、追悼の曲をつくり演奏しました」
 
いつかその曲も聴きたいです。
ところでお忙しい中でピアノの練習時間は、どのくらいですか?
 
「やらなきゃ、、、とおもっていると練習というカテゴリーにはいるのでしょうけれど、好きで弾いていると、これは趣味でしょうね。これは、本当に楽しいです。ピアノの音を追求する、、わたしの場合音大時代から技術はちょいとね、、、、。でも音色を作るのに時間をかけました。この辺は話すと長くなりますが、入学時、作曲科にはいればヨカッタと思ったものです。でもあの4年間、ピアノの音作りに集中できたのは今の私にとって、無くてはならない大切な時間でした。ピアノをさわらせていただけないこともあった。指の形が、手首が、肘の使い方が悪くて。。。懐かしいです」
 
これからどんなことを音楽のテーマとして表現してゆきたいですか?
 
「おう、、、これは大きな質問。これは日々変わっていくものなんでしょうね。だから、そうですねえ。。。ない。テーマは無い。書いた時にそれがテーマあまりこの辺はつきつめて考えたことはありません」
 
秦さんのつくる音楽は、テーマがあってそれを形にするのではなく、形としてつくりあげてからテーマとなるんですね。では3年後、5年後の夢とは?
 
「作曲家として2本足で立っていること。作る以上はより多くの方に聴いていただきたいと思っています。あとはミュージカルのようなステージをやりたい。これは頭の中に構想があるのです。それを現実のものにしたい。内容は私の歌の世界が根底に在る。ありきたりな日常の感情を音楽にのせてジェットコースターのようなステージにしたいのです。3年後ってのは嘘かな、もっと近い将来したいと思います。ピアノコンチェルトなんてインストもやってみたいし、楽しく作っていたい。毎日作っていたい」
 
と、とても意欲的。秦さんは詞よりも音、メロディで表現するわけですね。子どもの頃はどんな子で、何がすきでしたか?
 
「人がくれば座らせて、其の前で踊って歌っていました。西洋人になりたくて、ホテルにいけば、ソバによって声をかけられると泣いていた。学校の休み時間にどうしてみんなとあそばなければいけないかわからなくて、校内の売店で時間をつぶしていた。髪が天然パーマで、昔の「若乃花」のそっくりさんに応募、何位かにはいって新聞に載った。(親戚が勝手に応募した)もう一回、父がゴルフ好きだったので3歳のときからクラブを振ってそれが新聞に載った。(今では、1番ホールに立っただけで、これから17回もこれをするのかと思うとうんざりするので、45年間やっていない、、つまり5歳でやめた)5歳ぐらいには作曲をはじめていて、自作曲で発表会にでた。祖父母と散歩に行くのが好きだった。1分でもいいから黙っていてくれと云われた。地下鉄丸の内線の四谷駅で、非常ベルをならして地下鉄を止めた(7歳)。駅長によばれたが、駅長によばれたことが嬉しかった」
 
こういう羅列を聞いているだけで、具体的にその子ども時代を思い描くことができますよ。学習院で皇族と机を並べている子の中に、これだけユニークな子どもがいたことに驚きます!学校で矯正されずに今日まですくすくと大きくなってよかったですね(笑)。ところで、双子のお嬢さんに対する秦家の教育方針とは?
 
「ふうむ……。納得行く迄話す/でも納得行かなくてもあとでわかることもあるので、ある程度考えてもわからなかったら後回しにする/イヤなことがあったら、私を掃除機だと思って話して解消し、解決策を考える/北風より太陽/どんなことにも必ず意味がある、今わからなくても意味がある/いやなところより、いいところをさがす/日本語をきれいに/全部できなくていいので、好きな科目を頑張る/などなど。 まあ、こんなところかな?」
 
秦さんのお嬢さん、素直でデキが違うからかな。さっそくうちでも取り入れてみま〜す!では、近々のスケジュールを教えてください。
 
「6月7日 山梨県塩山にて 子育て支援ライブ(甲州市民文化会館)
6月17日、西荻窪 奇聞屋にて19時から〜
ゲスト:中島 奏(週刊こどもニュースのお母さん役です)、
ベーキングパウダーズ
7月6日、リーガロイヤルホテル東京
お昼のライブお問い合わせ:nakamura@nypowerhouse.comです!」
 
どうもありがとうございました。これからも秦さんの歌でたくさん泣かせて、笑わせてください!またライブにも出かけたいと思います。ハンカチじゃ足りないからタオル持って行こっと。
 

作品紹介

「あなたへ〜愛する家族へ」
1,300円(税込)
はお母さん達の子守唄としてつくりました。母に対する思い、愛する家族を失った思い、子供への気持ち、母としての気持ちをそれぞれうたった4曲入りです。

 
「秦 万里子」
1,200円(税込)
日常の家事や生活から出てきた歌。夫への思い、電子レンジへの思い(?)など可笑しい歌ばかり。
 
「CANCANCAN 」
2,500円(税込)
子供達が小さい時に、「苦手」とおもうことをみんな歌にしてあります。「だめでしょ!」「やりなさい!」といわなくてもすむなら済ませたい、そんな母の気持ちをこめて作ったものです。
 
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