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【KAKERUインタビュー No.12】
「カバン造り」と聞くと、昔ランドセルを製造する工房へ取材でお邪魔したことを思い出す。根気も肉体的な力もいるハードワークなため、経験を積んだ男性の職業というイメージが強かったのだが、今回紹介するクラタミオコさんはどちらかといえば華奢な女性。o c o m o c o(オコモコ)というカワイイ音(モコモコに似てる)のブランドを立ち上げて、さまざまなデザインのバッグを創りあげている。布選びからデザイン、縫製も一切を一人で取り仕切る。気がつけばもう10年も続けており、主婦のサイドビジネスならぬロングビジネスに。カバンづくりの魅力や、息長く好きな仕事を続けていくコツを聞いてみました。
クラタミオコ【Mioko Kurata】 o c o m o c o(オ コ モ コ) 主宰

http://home.c00.itscom.net/ocomoco/
オリジナルバッグのデザイン及び製作を仕事とするブランドo c o m o c o(オ コ モ コ)主宰。映像デザインの学校に在学中、マルイの月賦でミシンを購入。今思えば、これが第1歩! 卒業後、家具メーカーにてデザインの基礎を学ぶ。インテリアにも興味を持ち、建築の設計事務所にもいってみたが退社。ふと昔買ったミシンを思い出し、引っぱり出して、動かしたら「これしかない!」と思い、本業に。1993年から独学で、ミシンによる袋物を作り始め、やがてバッグ造りに移行。現在、作品は雑貨屋さんなど数店舗に置かれているほか、自宅兼アトリエにクチコミで訪れるお客さんのバックを制作している。

家族は、建築家の夫(倉田充さん)、中1長女、小5次女。

 
アトリエ兼ご自宅、とても素敵ですね。長寿番組の「建物探訪」で取り上げられても不思議じゃないセンスのよさですが、いつからこちらの場所で?
 
4年前です。夫が建築士なので色々と設計を考えてもらいました。以前はレトロな団地に住んでおり、その暮らしぶりは雑誌で取り上げられたこともありました。1LDKの間取りにこの家にある家具や荷物が全部入っていたので、結構色んな方に驚かれています(笑)。
 
カバンのデザインだけでなく、住宅のインテリアなどもお得意で?
 

建築事務所に勤めていたこともあるので好きなほうですね。

 
o c o m o c o(オ コ モ コ)のバッグは手づくりとは思えない見事な造りですけれど、何がキッカケでバッグの製造を始められたのですか。
 

どちらかというとファンシーな手づくりっぽいのが苦手なんです。布バッグといっても、皮も使われていたり、ナイロンや底びょうを使ってみせたり、いろんな素材を使って手づくりっぽく見えないように努めています。子どもの幼稚園バッグや弁当袋、シューズバッグを作りはじめて、元々そういうもの作るのが得意でしたので、目覚めまして(笑)。その上、小さなモノより大きくてカッチリしているアイテムを作るほうが好きなんですね。それで、子ども用ではなく大人が持つバッグを造るようになりました。

 
これって、普通にお店で売っているのと何ら変わりませんけど、今はどこのお店で売っているんですか?
 

2003年頃から、新宿addというお店に置かせてもらっています。ここはインテリア事務所ですがショールームをもっていて、美容室などで使われていたイスや備品をリサイクルしています。私が使う布は、50年代風の柄物。場所柄か、仕事帰りの男性や女性、若い男の子の肩掛けカバンなども結構人気があります。その辺で売っているのでなく、ちょっと変わったものが欲しいわという方には魅力的かもしれません。

 
でも全工程お一人で、こんなすごいバッグを造るのは大変ですよね。1ヵ月どのくらい製造されるんですか。
 

2,3ヵ月に一度納品というペースで、そうですね〜10個くらいでしょうか。1個つくるのに、今まで作っているモノなら1週間に3つ位。まったく新しいデザインでなら1個1週間くらい掛かります。ミシンを使うのですが、4年前まで卓上の家庭用ミシンを使っていたんです。でも、あまりにも使い込みすぎてメンテナンス屋さんに「なに縫ってんの?」と聞かれて、正直にいったら怒られました(笑)。それ以降は、ガンガン縫える業務用ミシンに買い変えました。

 
バッグづくりの大変なところ、うれしいところは何ですか。造る魅力を一言で表現すると……?
 

ハサミで色々なパーツを忘れないように裁つところが大変ですね。その逆に、形にできる工程をみるのがうれしい。布地の柄と無地の組み合わせも楽しいです。私の場合、しっかりした布が好きなんですね。主にアメリカの布を使っています。どこから取り寄せたの?という不思議な柄の生地や、柄や色が日本にない感じのストライプ、ドット、柄のヨーロピアンテイストに魅かれます。

 
実費コストだけでも相当掛かっていると思いますが、正直なところ儲かっていますか?
 

マイナスは出さないようにしていますけれど決して黒字では……トントンでしょうか。価格はそんなに高くは設定できません。バッグは、ある程度の値段で買えてしまうアイテムですので、o c o m o c o(オ コ モ コ)のは、あえて買いやすい価格にしています。

 
春に展覧会をされるとか?
 

2007年4月9日(月)〜12日(木)、横浜市青葉区の『ギャラリーa』で「3人展」を開催します。コスチュームアクセサリー、インテリアフラワー、バックとジャンルが違う3人での展覧会です。バッグは「大き目のボストンバッグ」がテーマ。活動を通じて知名度をあげたいです。
(※「ギャラリーa」のお問い合わせは、有限会社 月造 まで=>Tel 045-989-2506 地図

 
ありがとうございました。自宅兼アトリエを拠点にして、小規模ながら長く好きなことを続けているクラタミオコさん。満員電車に乗らなくてもいいお仕事は、うらやましい限りです。居心地のよいお家づくりが手仕事を続けられる大切な要素かもしれません。まずは部屋の掃除をしないとな〜〜。いつも美しい住まいを訪問すると自責の念に駆られてしまうくせに、何も片付かない私です。春に向けてPC専用のバッグをo c o m o c o(オ コ モ コ)で新調したいです。

 

トートバック\6500

ミニボストン¥5800

スクエアーバック\4500

キューブポシェット\3800

ストライプショルダー\4500

春のストライプ・出番待ち

愛用のミシン。毎日フル稼働。たまにはお休みさせないと ……

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