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【KAKERUインタビュー No.43】
今回ご紹介するのは、遡ること私が小学1年生の頃に通っていた絵画教室でご一緒していた青木育美さん。当時から、絵がメチャメチャに上手いお姉さんとして、私にとっては憧れの存在でした。どんな対象物でも的確にイメージを捉えてスケッチできるセンスは、生まれもった資質なのかもしれません。あれから30年以上の歳月を経た今、育美ちゃんは三人の子をもつ母となり、日々忙しく家事をこなす傍らで、手先の器用さは昔のまま。現在は、絵ではなくクラフト作家として活動をされています。キャラ色の際どいのがクレイの特徴かと思えば、彼女の織り成す世界は、ほのぼのとした日常のワンシーンを切り取ったイメージ。「自分の経験や日常見ているものを、クレイで表現したい」という『今』を大切に仕事をするクラフト作家・青木育美さんへお話しをうかがいました。
青木育美【【Ikumi Aoki】クラフト作家 青木育美【Ikumi Aoki】

クラフト作家

HP: Anglecoreにて作品掲載

1963年東京都生まれ。阿佐ヶ谷美術専門学校グラフィックデザイン科卒業。株式会社プリンセストラヤにてハンドバック企画を5〜6年担当後、結婚。主婦業をこなしつつ、「かわいいものを家の中に置きたい」と発想するように。97年に家を新築したのをきっかけに、クラフト粘土でいろいろな作品を創り始める。カメラマンの夫とコラボレーションし商品化。広告や出版物、自治体からなどニーズが高い。
子どもたちが成長した今、クラフト作家としてさらに活躍の場を広げたいと意欲的に活動中。

家族は、カメラマンの夫、長男(中2)、次男(小5)、長女(小2)、犬一匹。
 
クレイの作品、どれもが細かいところまでキッチリ創られていて、すごいなーと思います。もともと絵が上手かったのに、なぜ粘土細工を選ばれたのでしょう?
 
粘土はスケッチなしで手でコネコネしながらイメージを作っていけるのが好きで、髪型や洋服も本来の自分ではないものを粘土では作れるんですね。粘土にして表現しているのは、日常生活のワンシーン。アイデアが湯水のように湧いてきます。
 
すごく細かなところまで作りこんでいますが、どのくらいの期間で完成するのでしょう?
 
粘土は乾かした土台に服を着せていくんですね。1日乾かして、さらに作ってもう1日。皆が学校へ行ってから制作するので、3日くらいでできます。4体、5体同時に一気に作ります。イメージができていれば、速くできるほうです。
 
作品にされるシーンは、どれも日常のひとコマということですが?
 
子どもが小さな頃を思い出したり、犬のいる生活を反映したり、どこかで体験したイメージを粘土の世界に落としこんでいます。授乳シーンは、おおざっぱなシーンを昔の写真などを見ながらスケッチして作りました。自分が体験していることは、旨く作れます。作っているうちに、小物をプラスしていきます。
 
作品の画像どれもが、そのシーンならではの良さがよく出ています。
 

私の作るクレイ人形は立ちにくいんです。カメラマンの夫が、撮影する時に、世界観に動きをもたせてくれます。どんな方向から見たら、動きが出るかも計算しているみたい。家の中に置いて、いつも眺めていたいかわいいものを……という発想から作っているので、子どもたちにも好評です。

 
奥さんの仕事に協力的な旦那さんが少ない中、すごく強力な味方ですよね。
 
そうですね。元々、夫はデザイナーでしたが好きなカメラにとりつかれてそちらを仕事にしてしまった人。私にだけではなく、子どもたちに対しても、同じですね。上の子二人ともサッカーが大好きですが、「勉強しろ!」とか言わないので、それぞれ好きなことに没頭しています。「自分が好きなことを仕事にできるのは幸せ」という夫なので、そういう意味では幸せです。
 
ほんとに幸せ!ところでクレイだけでなく、色々なものを手作りされていますよね。そもそもクリエーティブなのね。
 
洋裁も好きで、お友達からのお古は、いろんなハギレを合わせてまったく別のものを形作ったりします。母が洋裁をやっていたので基本はよくわかっているんですね。ちょっとした複雑なものは型紙をおこしてから布を裁断してチクチク。
 
お母さんの鏡ですよ。子どもたちも幸せですね。三人はどんな性格の違いがあります?
 
長男は、やさしくて照れ屋、空気の読めるタイプで典型的な長男タイプ。泣き虫だった小さな頃に比べて、今はとっても逞しくなりました(笑)。次男は自由奔放で、信じられないくらい物事を前向きに捉える子。ああいううふうに生きられたらいいな!と思います(笑)。長女は上のお兄ちゃん2人を見ているせいか、とても気の利く子。よく物事を観察していて、私が考えていることも先に察知して読んでくれたり。男の子の友達が多くて入学してからもなかなか女の子の友達ができなかったのですが、今はたくさんお友達もできて毎日活発に遊んでいます。
 
三人三様で毎日楽しいですね。叱り飛ばすことなんて全然ないのでは?それは、ご自身が子ども時代から好きなことに没頭されてきたからでしょうか?
 
まさかまさか!家では怒ってばかりです(笑)。子どもたちは全然、親の言うことなんか聞かないので。叱りたくなくてもしょうがないですね。
私が子どもの頃は、かなり小さい時から鉛筆と紙を持ち机で黙々と絵を描いていたようです。父が、子どものやることはいちいちほめる人だったので、私は褒められては喜んで描いていたようです。小学生の頃は、自分の世界に入って、気がつくと1〜2時間は絵を描くのに没頭していましたね。変わっていたのかな〜?エッシャーの絵は大好きな本でした。
 
今後は、クラフト作家として積極的な活動を仕掛けていきたいと?
 
これまでは主婦業と子育てをしながらで、お声掛けいただいたところに作品を提供してきましたが、もう少し創作時間も増やして、活動してみようと思っています。きっかけのひとつは、子どもたちの成長にありますが、私自身が時間を掛けて長年培ってきたライフスタイルをクレイで表現していきたいと思ったからです。イメージできない作品は作れませんが、これからも半径5メール以内のシーンをイメージで作って、私の作品を通じて感動を共有してもらえるとうれしいです。
 
ありがとうございました。
育美ちゃんとは何回か引越しをしながらも30ン年もつながっていられるなんてスゴイなぁ〜と思います。もちろん幼い頃の絵画教室で、その存在はよく知っていて、一緒に遊んだこともありましたが。大人になってからバッタリ会うこともなく。でも、子どもが生まれてから親子で新居に遊びに寄らせてもらい、その家の中のかわいらしかったこと!たくさんの子どもたちの絵も貼られていて、どの子の絵も親譲りのいい色彩の力強い絵でした。クレイで創る愉快な世界、今後も楽しみにしています。主婦の視点をいかして、日常世界をイメージした、いい作品をいっぱい創ってくださいね。
 

『ほのぼの家族』
リビングでテレビを囲んで寛いでいる感じ。観葉植物や犬も一緒に。

『二人でドライブ』
この車種はフォルクス・ワーゲン?! ミラーやハンドルも本物みたい。

『テラスで赤ちゃんと日なたぼっこ』
青木夫妻の若かりし頃を彷彿させる幸せなワンシーン。

『ママとのんびり』
赤ちゃんと犬と休み時間。

『お買い物』
ワイヤーで作られたショッピングカートは今にも動き出しそう。

『夢の中』
赤ちゃんの寝顔はクレイならではの、かわいさ♪

『ママ&パパとショッピング』

『うきうき海外旅行』

『カフェでおしゃべり』

 

 

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