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【KAKERUインタビュー No.57】

この不景気で日本経済は沈滞ムード。それでも教育を考える親は、子どもが生活する場は心豊かに過ごせるよりよい環境を求めています。そのため「小学校から私立校受験」を考えるご家庭が増加中。5〜6歳でお受験!?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、教育の基本は『子どもの自律心を育てる』こと。わが家では反抗期の息子と毎日バトルを繰り広げ、そんな日々にいささかうんざりしつつ、「生まれてきてくれてありがとう」と小さな頃は感謝していたことを懐かしく思い起こします。初心を忘れた親も親ですが、子どもにとって「勉強」ってどんなことなのか?「大きくなる」ってことは、どんなことなのか?今回は、横浜市で20年以上に渡り「モンテッソーリ教育」を理念とした幼児教室を運営されている松野朝子さんにインタビューしました。

松野朝子【Tomoko Matsuno】 松野朝子【Tomoko Matsuno】

株式会社アリス 代表取締役

1951年、福岡県生まれ。富士ゼロックス株髀痩ロに務め、寿退社。結婚して4人の子どもを育てる為に会社を設立。5番目の子を病気で亡くして、同年幼児教室を設立。途中モンテソーリ教育と出会い「日本モンテッソーリ研究所」で2年学び修了。横浜市の要請で、虐待防止対策活動に参画。また、ホテルや病院に保育施設の提案と設置を推進している。
家族は、夫、長女(29)、長男(23)、次女(22)、次男(20)、犬1匹、猫2匹。
 
容姿もかわいらしくて、とても4人も大きなお子さんがいらっしゃるとは思えません(笑)。たった1人でも子育てするのにいっぱいいっぱいになってしまうものだと思いますが、ご自身が4人子育てをされている中でこの事業を立ち上げられたきっかけというのは?
 

夫の転勤で全国各地で転々と生活をしてきました。ですから子どもはたくさんの地域で、いろいろな方々へお世話になりながら育ってきたんですね。本当にありがたくて感謝する日々で、その時に「あなたがいい人だから」とある方に言われたのがうれしくて。それなら私が逆の立場になって支えていこうと決意しました。
そして、実は17年前。5番目の子が誕生したのですが、満1歳を迎える前に病気で天に召されました。 子どもを失った悲しみや苦しみは乗り越えることはできないものです。アリスの教室は、末息子が生きるはずだった歳月と同じ歳月を重ねています。HPの「つぶやき」で『桜の岡』という題名で、その頃の話に少し触れています。

そんな悲しい出来事がおありだったのですね。4人のお子さんが、その頃は中学校入学、小学校入学、幼稚園年長、幼稚園入園が重って、並大抵な精神力ではそこから新しいことを始められなかったと思います。それからどんな手法でお仕事をされていかれました?
 

《資格を眠らせている保母さん、そして、子育てこそが一番のお免状と考えているお母さん、
一緒に始めてみませんか?》
という、本当に小さい1行広告を新聞に出しました。そうしたら700人くらいが応募されて。とにかく問い合わせが殺到して電話が鳴りやまなかった。その頃はまだ女性は結婚して家庭におさまるのが一般的でしたから、資格があってもしまいこむ時代で。それでも、この反響の大きさにびっくりして、これはきっと時代に求められている、と。のんびりと子育てしていた私の生活が一変したのは、この時からです。間もなく保育事業の会社を立ち上げることになりました。

 
今でこそベビーシッターは職業として確立されていますが、当時はそのベビーシッターを派遣する会社が少なかったんですね。まだ11社しかなかった頃、国に皆で働きかけたとか。
 

家庭の孤立と少子化が進む中で、子育てをサポートする活動の輪は全国に急速に拡がっていきました。ニーズが膨らむ一方で、保育士たちの研修や資格認定の制度化、社会的認知が業界全体の健全な発展につながると考えました。
1989年、当時の厚生省の指導のもと、全国ベビーシッター協会を設立し、1991年には厚生大臣より社団法人の認可を得て、厚生省の外郭団体として新たなスタートをきりました。

 
松野先生がベビーシッター業界を開拓されてこられたんですね。私も大学生時代、ベビーシッターのアルバイトをしていました。ご家庭の親御さんには「こんな若い子、おむつ取り換えられるのかしら?」なんて危ぶまれましたけれど5歳くらいまでの幼児さんには人気があったので、よくご指名いただいてました(笑)。
 

ふふふ。あべさん遊んでくれそうな気がするものね。当時の橋本龍太郎大臣と掛け合ったのですが、その後大臣が変わったりして結局ベビーシッターの資格は確立できませんでした。

 
そんなところにも政治のゴタゴタが影を落としているなんて残念ですね。ところで1992年からこちらの横浜駅前のお教室をされていらっしゃいますが、お教室の理念は一貫して「モンテッソーリ教育」ですね。これは具体的にいいますと?
 

モンテソーリメソッドは一般に「感覚教育」ともいわれています。 個々の小さな成長(敏感期)を大切にし、多すぎず少なすぎない援助をすることで子どもの自発力を育てる教育です。 実際に、見る、聴く、触れる、味わう、嗅ぐなどの経験を思う存分させて貰った子どもは心が落ち着いています。 また、秩序感が育ちます。物事を順序良く筋道を立てて考えていく力が自然と身に付きます。
マリア・.モンテッソーリ女史が遺した言葉に
「人類の前途に光明を与えるのは心の内に正しい宇宙観の種子を蒔くことであり、これが教育の前提である」
とあります。 美しいものに触れ美しいと感じる心を育てることは物事の善悪を知ることに繋がります。平和を願う心を育てる教育といえると思います。 そしてモンテッソーリ女史が残した言葉には、今日、私達が直面している教育の課題を解くための鍵があるように思えます。

 

アリスには0〜6歳の子どもたちが通われています。口コミだけで18年も同じ場所でされていらっしゃるのは、本当に実績がおありだからこそです。私は産後2か月で職場復帰せねばならなかったので、有無をいわず息子も生後満4か月から保育園児として育ってきたので、この年齢の時に何ができるか?何をさせるのがベストか?あんまり細かく観察できなかったし、親の都合で連れまわしちゃったかな。非常にふざけるのが好きな子で、まともじゃなかった……から今もそのままです(笑)。やはり6歳までは重要ですか?

 

そうですね。日本ではそもそも就学前教育は昔から大切にされてきたんですよ。ご挨拶、お返事、その場で考えたり答えたりできるようにすることなどがその一部分ですね。教室には幼稚園までのコース「モンテッソーリコース」と、幼稚園からのコース「小学校受験コース」があります。おもしろいことに、先生が知っている子と親の知っている子と、どの子もその様子が違うものなんですよ。
受験コースでは、何か特別な英才教育をしているように思われがちですが、その子にあった受験ができるように指導します。その子が幸せに6年間あるいは12年間を過ごせる場って、ブランドとか偏差値などで決められることではありませんから。

 
うちの子が5〜6歳の時なんて知らない人に名前を聞かれると反対から読みあげてましたから。そんな天の邪鬼っ子でも中学受験はやりたいんだ!と自ら奮起して頑張って今勉強中です。小学校受験は親の関わりも大きいですよね?先生は「子どもが勉強する」ということはどんなことだと思われます?
 

親が言うように育たず、親がやるように育つもの。言葉づかいひとつにしてもそう。親には根気が必要なんです。たとえば玄関で靴を並べることは、いい習慣ですが中々いつも子どもはできません。それを叱らずに「靴を並べなさい」と繰り返して言い続けることが大切なんです。

 
う〜ん、毎日100回くらい歯を磨けと言っている私はすぐには納得できないのですが(笑)。自分が同じ歳の頃と全然違う動物なので、なんでなんで?と思う事ばかりです。そんなお母さんに対して何かメッセージをお願いします。
 

楽しんでほしいなぁと思いますね。私も最初の子はがむしゃらでしたけれど、二人目は楽しかったです。「あれ?こういうふうにどうして思ったのかな?」と発想を転換すると、子どもの見え方も変わってきます。

 
このお仕事でもっとも大切な点とは?
 

「子どもが好き。人間が好き。観察が好き」ということかしら。これは、これからも一貫して変わらないですね。今、定期的に親子向けの音楽コンサートなども開催しています。こういう場にお越しいただいて、ママに「またがんばるぞ!」と思ってほしい。これからもたくさんそんな企画をたくさん考えています。

 

ありがとうございました。
インタビューをお願いした時に、「私は無口ですから、インタビュアー泣かせですよ」とお返事いただきましたが、なんのなんの。しっかり語っていただけました!柔らかい小春日和の日差しみたいにあたたかく、どんな人をも包み込んでしまう雰囲気は、本当にこのお仕事が天職なのだなぁ〜と感じました。

2009年3月27日(金)に開催する、横浜・青葉台東急フィリアホールでの秦万里子コンサートで、株式会社アリスさんに託児サービスのご協力もいただいております。子どもたちも、きっと「楽しかった!」と言ってくれそうなお預かりタイム。就学前のお子さんは入場不可なので、ぜひ事前ご予約をされてご利用ください。

 

“本当に安心して任せられる人を” アリスベビーシッターはそんなご両親の願いにお応えします。

0〜6歳が通うためモンテッソーリ(入園準備)コースとアリスコースがあります。

モンテッソーリ教育の理念の基、子どもの発達に合わせ、早すぎず遅すぎない時期に、 多すぎず少なすぎない適切な援助で子どもの自発力を育てています。

ピアノが設置されている広い保育スペース。見通しもよくて一人ひとりによく目が届きます。

カラフルな玩具がいっぱい。思わず目を奪われます。

色彩のトーンがたくさん。同じ緑でもこんなに種類があるのね〜と子どもの頃から認識できます。

重さを認識する玩具。

いろんな大きさ、色を組み合わせて何を作れるかな?

子どもたち一人ひとりの育ちを見つめ、合う学校を選択し合格させる手法は定評が高い。

愛犬リッキーの絵が飾ってありました。アメリカンコッカスパニアルという種類。お留守番ができない甘えん坊ワンちゃん。

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