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【KAKERUインタビュー No.59】

おばさんにはなりたくない!と思ってたはずなのに、好きなタレントは妻夫木くんだし、いつの間にか「おばさん街道」まっしぐら。今回は、そんな私たちアラフォー世代に絶対支持してもらえそうな、俳優と雲水の2つの肩書きをもつナイスガイを紹介します。なんたっておもしろい経歴で、こんなに色々な意味で恵まれていらっしゃるのに、何を表現しようと思って俳優の道へ進まれたのか。また、何を目指して雲水になったのか。こんな時代ゆえに座禅で瞑想したくなる人も多いようです。俳優業の傍らで、坐禅イベントなるものを都内近郊で開催していることも。今春「ナラオ!」の特別イベントで親子で参加できる坐禅イベントをやってみたいなぁ、と思っています。うちのお尻とんがり坊主も坐禅を経験すると少し心が落ち着いたりするのでしょうか?? うら若き王子ならぬ雲水兼俳優の星太郎(星覚)に聞いてみました。

樋口星太郎【Seitaro Higuchi】 樋口星太郎【Seitaro Higuchi】
俳優・雲水

所属事務所のブログ 

雲水seigakuが活動しているお寺のHP 
SEITARO.JP

1981.1.31シンガポール生まれ。米子市立福生東小学校、ポーランドワルシャワ日本人学校、立教英国学院、米子市立福生中学校、鳥取県立米子東高校を経て、慶応義塾大学法学部政治学科卒業。その後、大本山永平寺にて3年間の修行を経て、現在は雲水(星覚seigaku)、俳優(樋口星太郎)として東京を中心に活動中。
ちなみに雲水とは、ヒトトコロにとどまらず雲のように水のように 天地至る所を道場として修行をする禅の修行僧のこと。レッドカーペットでアカデミー賞をもらい、UNSUIを世界共通語にするのが夢!
 
マザールの仕事でも何度かモデルさんとしてお願いしています。ほんとーにカッコいいから、うちの息子もこんな風にスナオに大きく育ってくれるといいなぁ〜と思います。今日は星太郎くんの幼少期の話なども聞かせてください。経歴をみれば一目瞭然、いわばエリートではないですか。大学卒業してから、よりによって永平寺に修行へ行こうと思ったのはどうして?
 

人間の本質的な生活が見えてくるかな…と思って。僕は、いわゆる「良い子」ではなくて。自分がある結果を出せば、周りの評価が得られるから、その期待に応えるために何でもこなしてきた……みたいなところがあります。外から要求されることに、きちんと対応できる人間だっただけ。がんばって資格もたくさん取得して、たくさん自分に付属しているものを作って、鎧を着けていたような。そんな時に、演劇と出会いました。奈良橋陽子さんの演劇は、「舞台に立つには、いろんなものを取り除かないとならない」という考え。それにガツンときたんです。

奈良橋陽子さんは、演出家・映画監督・作詞家・キャスティングディレクターとしても幅広く活躍されていらっしゃる方ですよね。「ゴダイゴ」の一連のヒット曲の作詞も手がけられたり。 星太郎くんの演劇との出会いは、大学時代でしたよね。
 

英語劇のサークルに参加してました。そこで先述の奈良橋陽子さんの教えを受けて、いろいろな意味で目から鱗でした。
それで、俳優は自分に付属しているそれらを取り除いていって初めて成り立つ職業だということを知って、これはおもしろいと。友達は大学3年の夏頃から就職活動をしていましたが、僕はしませんでしたね。あ、でもテレビ局のアナウンサー試験は片っ端から受けていました。結果は全滅でしたが、いい線までいきましたよ。

 
そうそう、星太郎くんは俳優もいいけど、ワイドショーの司会とかもこなせそうだもん。ちゃんと人の話を聞いてくれるし、声もいいし。
 

実はアナウンサーになりたかったわけではなくて、「アナウンサー試験に合格したけれど、蹴った」ということをしたかった。性格悪いですよね(笑)。声の仕事でいうと、大学時代にドイツ語講座の収録をバイトでやっていましたね。

 
なんだか複雑。生意気だったのね(笑)。それで、永平寺ではどんな毎日を送っていましたか?
 

修行です。具体的な修行の内容は、読経をしたり、坐禅をしたり、掃除をしたり、食事を作ったりです。いってみれば「雲水になるための」ではなく、「雲水としての」修行。永平寺の生活は決して楽ではありませんでした。永平寺での生活の様子は、SEITRAO.JPの中の僧想で当時の日記を公開しているので、ぜひご覧ください。

 
規則正しい生活は、厳しいこともたくさんあることでしょうけれど、ある意味で携帯やインターネットと離れられるから俗世間から断絶できますよね。いわば囲いの中で生活をしている羊さんというか?
 

いえいえ、羊ではなくて狼ばっかりでしたよ(笑)。

 
ぽっ。こんなカッコいい狼ならうれしいよね〜。ところで星太郎くんは反抗期とか無かったんじゃない?2歳上にお姉さんがいますよね。きょうだい喧嘩とかしたことあるの?
 

親を悲しませるのが申し訳ない、という気持ちがあって反抗はしなかったですね。姉とも今も仲良しです。一度だけ小学校低学年の時に野球のバッドを腹が立って憎悪をこめて投げつけたら、ものすごく父に叱られたことを覚えています。それきり、姉に何か乱暴なふるまいをしたことってないんです。

 

そうか〜、うちなんか姉妹なのに人様には言えないケンカしてましたもの(笑)。素直さが違うわけね。星太郎くんは書も上手ですよね。お話しをしていると、仏道の言葉がたくさん出てきますが、何かこれは!という言葉はありますか。

 

〈宝境三昧〉というお経の一説に
潜行蜜用は愚の如く魯の如し
只能く相続するを 主中の主となづく 

というものがあります。 これは人に認めてもらおうとしてでなく、人に知られないようなところで「愚の如く魯の如く」相続すること。つまり本当に大切なことを、バカみたいに続けることが大切なんだといういことを説いています。

 
賛成!こういう考え大好きよ。このKAKERUインタビューも星太郎くんで59回目ですが、インタビューのねらいとかってあんまり無いの。バカみたいに続けることで、いろんなつながりが発生するのがうれしいし、見えてくることってある。仏道を通して、何か掴んだこととは?
 

掴んだことはあまり思い浮かびませんが、手放せたものはたくさんあるかもしれません。大好きな正法眼蔵の一説にこんな言葉があります。ここで説かれていることと、奈良橋陽子さんをはじめ第一線で活躍されている様々な分野の方がおっしゃっている言葉に非常に共通したなにかを感じるんです。

<正法眼蔵現成公案>
佛道をならふといふは、
自己をならふなり。
自己をならふといふは、
自己をわするるなり。
自己をわするるといふは、
萬法に證せらるるなり。
萬法に證せらるるといふは、
自己の身心および他己の身心をして
脱落せしむるなり。

 
では、坐禅の意味することとは?
 

今東京で暮らしている自分を顧みると、生活のすべてが何かのためにやっていることばかりで、目的だらけ。永平寺の生活と正反対です。散歩が気持ちいいのは目的地がないから。何もしない時間をもつことで、何かが見えてくるのではないでしょうか。

 
今後は、俳優兼雲水としてどんな活動を仕掛けていきたいですか?
 

自分にとって俳優であることと雲水であることは同じなんです。 一つひとつのご縁を大切にして、いかに目の前の相手に和合できるか。参究していきたいと思います。

◆現在決まっている坐禅のイベント
2月14日(土)・15日(日)禅寺の旅 定員9名(現在満席キャ ンセル待ちです)
2月28日(土)・3月01日(日)禅寺の旅 定員9名
3月08日(日) 坐禅会  定員30名     
詳細お問い合わせ、お申し込みはこちらまで。

 

ありがとうございました。
星太郎くんのお姉さんMちゃんも、本当にかわいくて賢くてやさしい方で、きょうだい揃ってキレイな水で育ってきたんだなぁ〜という印象があります。私はある時まで「普通であること」を目指して、でもそれが叶わなくて、何だか息苦しいことがありました。
自分のヘンなところ、欠けているところこそ、突出してしまった「よさ」でもあることに気づいたのって、最近のことです。周りの人は相当迷惑だとは思いますが(笑)。
星太郎くんの持ち味をいかして、俳優として新しい境地を拓いてほしいです。 ねーさんは応援してるよ。

 

坊主頭もサマになっている仏門では星覚(せいがく)という名前。

修行僧はほとんど1年間の修行で卒業してゆくが、星覚は3年間修業した。

英語のできるバイリンガル雲水のため、海外へ渡って同志と交流も。

長髪の雲水?

俳優っぽい宣材写真。こちらは所属事務所より提供。

身長180センチでこの容姿。目立つなというのが無理ですよ!

雲水も俳優も積み重ねてきたものを積み減らしていく職業、という。

演じることができるイケメン俳優はたくさんいるけれど、雲水として奥深い言葉を発することのできる俳優は星太郎しかいない。

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